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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ(2020・雪)のぞ様の色気エゲツない

のぞ様のギャング役はいいぞ

あけましておめでとうございます。2020年一発目の観劇です。

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真面目な優等生風なのにも関わらず、なぜかやたらと悪い男やマフィア役がしっくり似合ってしまう望海風斗様。「オーシャンズ11」のテリー・ベネティクト良かった。「ラストタイクーン」のDV男も忘れ難い。「アル・カポネ」もよかったなあ。

そして満を持しての大作でユダヤギャング役。歴史もの以外でがっつり殺しのシーンがある役はトップ男役としては珍しいような。

禁酒法時代はタカラヅカに似合う

のぞ様の登場シーンからもうかっこよすぎて泣く。彫刻のような端正な横顔に浮かぶ憂いがたまらない。裏街道を歩いてきた男の影。もうね、色気がエグい。エゲツない。

そして男役スーツの群舞に痺れる。

禁酒法時代の風俗はタカラヅカの舞台にとても似合う。男性も女性も華やかで少し儚げで。「ワンス〜」は決してハッピーな話ではないのだが、一つの時代が終わるスケール感がゴージャスだ。

貧しい移民の若者たちは皆、成功を夢見て必死だ。真っ当な道ばかりではない。裏街道を行くしかない人生もある。

1幕の終わり、真紅の薔薇の中ののぞ様の美しさと切なさといったらもう・・・

 

キャロルとデボラ、女たちの人生

デボラは決して男に流されない。可憐なようでいて、己の芸で立身出世した彼女は肝が座っている。愛の前でも自分の夢は捨てない。必要とあらば愛する男に意見し、袂を分かつ強さがある。道は違うものの、ヌードルスやマックス以上に人生の成功に夢を抱いている。

一方、強く見えるキャロルは男に引き摺られる人生だ。マックスを愛したキャロルは彼のやり方に不安を覚えつつも流されていく。マックスが愛したのはデボラだった。彼の眼中にキャロルはいただろうか。晩年のマックスは精神を患ったキャロルの面倒を見ているが、妻にはしなかった。

二人の女性に着目すると物語にまた違う奥行きがでる。映画ももう一回観るかな。

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切ないがゴージャスな舞台でした