シネマと宝塚と音楽と

宝塚・音楽・映画・時々ジャニーズ

噂の二人(1961)、、思いっきりネタバレ

 
<あらすじ>
カレン(オードリー)とマーサ(シャーリー)は学生時代からの親友で、女学校の共同経営者。素敵な婚約者と結婚間近のカレンに、マーサは祝福しつつもちょっとジェラシー。
 
ところが、ある嘘つきで我儘な生徒がカレンに叱られたことを逆恨みし、「あの先生二人はレズビアンで、夜な夜な変なことをしている」とデマを流す。
これが町中に広がり、「何てハレンチな!」と親達は生徒を引き上げてしまう。
人々の偏見と学校経営の危機に、二人は弱り果て・・・というお話。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
ローマの休日」のワイラー監督作品で出演がオードリーとシャーリーで、、って言ったら洒落たロマンチック・コメディかと思うじゃないですか。
それがえらいことキツイ内容だった。重いが、とても素晴らしい映画でした。
以下ネタバレ。
 
時代が時代なので、同性愛への差別と偏見は現代よりひどい。
子供のガセネタに大の大人達が踊らされ、集団心理でイジメに走る醜さ、恐ろしさ。またこの子役がうまくて、ホンマに憎ったらしい!
 
悪意ある噂を流されたことで、自分の本当の気持ちに気づいてしまうマーサ。
「私はカレンを愛している。昔から彼女が好きだったんだ」と。
カレンの婚約に嫉妬したのは、友達に先を越された寂しさではなくて、彼女を男に取られたくなかったからなんですね。
マーサがカレンに愛を告白するシーンは激しくて、美しくて辛い、名シーンだ。
傷ついたマーサは、自死を選んでしまう。
遺体を発見したカレンのクローズアップの表情が素晴らしい。
イメージ 1
このオードリーの表情が、、、(涙)
 
こんな事件がもし起こらなかったら、二人はどうなっていたのだろう。
親友同士として、仲良く穏やかに暮らしていけたのか?
それともいずれマーサはカレンへの恋愛感情に気づいて苦しんだのか?
カレンを諦め、他の女性と(または男性と)新しい恋をしただろうか?
現代なら、こんな悲劇は避けられたのか?
 
嘘つきの生徒は、マーサ本人ですら否認していた真実を鋭く見抜いていたことになる。
尾ひれをつけて吹聴した内容は嘘っぱちだけれど、その目は確かだった、、というのも恐ろしい。
 
61年当時の規制で、実はかなりのシーンがカットされてしまったらしい。
ディレクターズカット版を見てみたいな。いろいろと考えてしまう名作でした。
イメージ 2