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WELCOME TO TAKARAZUKAー雪と月と花とー/ピガール狂騒曲('20 月組)

久しぶりの大劇場。万全のコロナ対策

今年の上半期、何度チケットをとっては流れ、とっては流れたか。SSもあったのに。しょうがないとは言え悔しい。そして劇団関係者の皆さんの苦労を思うと何とも言えない気分になる。コロナ禍にあって、興行系は本当に大変ですよね。

 

しかしながら久しぶりの宝塚大劇場は、変わらずに華やかで夢のようなのだった。赤い絨毯も、煌くシャンデリアも。

コロナ対策はめっちゃ頑張ってます。

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飛沫の検証結果が張り出されている。ちゃんとしてます。

  • 入り口のアルコール消毒と体温チェック
  • キャトルレーヴは入場制限あり
  • チケットのQRコード確認は客側が自分でする方式に
  • オペラグラスの貸し出し中止
  • 幕間の軽食コーナーの営業も中止
  • 売店はやってるが取り扱い商品は絞っている
  • 飲食店の営業も縮小してるっぽい?
  • 生オケ中止(止むを得ずとは言えこれは痛い。。宝塚の魅力は生オケも大きい)
  • 女性トイレのメイク直しコーナー(鏡台の方)は利用中止
  • 鏡のみのメイク直しコーナーにはずらりと洗面台新設(これはびっくり。凄い)

どれだけ対策をしても「十分」ということはないのかもしれない。しかし、やれることは全てやるという気概が感じられる。さすがは俺たちの宝塚である。

「WELCOME TO TAKARAZUKA」雪月花の美しさに感動

まずは「WELCOME TO TAKARAZUKA」宝塚の日本物のレビュー大好きなんだよな。中でも本作はとてもクオリティが高くて、素晴らしかった。日舞とクラシックがこんなにマッチするとは。

オープニングのチョンパ!この華やかさ、一瞬で異世界に連れて行かれる。唯一無二である。麗しい若衆たちと艶やかな娘たち。この美しさだけで泣けてくる。

 

雪の場面。松本悠里先生の舞の愛らしくも神々しいこと。涙が出てくる。切ない恋の苦しみ。日舞のうまい下手は正直さっぱりわからないのだが、ミエコ先生の舞に心を動かされるのは事実だ。何と美しいことか。これが大劇場での見納めになるとは。。ミエコ先生、本当にありがとうございました。あなたは素晴らしい。

 

月の場面はボレロのリズムに乗せた群舞。見たことのない世界だった。本当に綺麗。珠様の包容力が月読命のようだ。

花の、鏡の舞も見応えがある。月城さんがもうびっくりするくらい美しい。いいもん見た。

「ピガール狂騒曲」は古くて新しい名作だ

これ面白い。「十二夜」の翻案かと思うが、月組はお芝居のアンサンブルが良いのでシェークスピアみたいな大勢が絡むお芝居が凄く合っていると思う。

宝塚は基本的に「男は男らしく、女は女らしく」の古典的な価値観の作品が多い。どうしたって男役トップが主役なので、男を立てるような形にならざるをえない。

でも伝統を守りつつも、時代に合った新しい風を取り入れて行くのが、宝塚がいつまでも古びない秘訣だと思う。

月組は結構チャレンジングな演目を手がけてきた。本作でも「女性の自立」を描きつつ、さらに珠様の女役ですよ。最初から男役にしちゃ白めのメイクだなと思った。

皆よかったが、中でもロートレック役の千海さんが凄くよかったなあ。

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舞台の内幕ものという設定も凄く好み。うわべの綺麗さではなく夢と情熱が人の心を打つのだと、まさに宝塚のことではないか。ムーラン・ルージュのショーのシーンがとっても楽しい。

また、楽屋のセットが凄く良くできていてまじまじとオペラでみてしまった。踊り子さんたちの鏡前の乱雑さと華やかさ、そして儚さ。ジェンヌたちは本物の舞台人なので、凄いリアリティがある。

 

非常に楽しかった。珠様の兄と妹二役の演じ分けが素晴らしかった。立ち方が歩き方がもう違うんだよね。男のふりをしている女性ジャックと、本当に男性のヴィクトール、同じ顔で同じ体で、でも身のこなしが違う。

しかしラストで珠様が月城さんにキスされるシーンはなんか見ちゃいけないものを見たようなドキドキ感が。

 

ラストのショーも素晴らしい。基本の黒燕尾による群舞、娘役たちのドレスもシックでスタイリッシュ。デュエダンも美しい。

何か今回の演目、レビューもお芝居も文句つけたいところがほぼないな・・・久しぶりだったということをさしひいても、素晴らしい内容だったと思う。ありがとうタカラヅカ

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宝塚って本当に素晴らしいですね