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I AM FROM AUSTRIA(2019 月組)はオシャレ新喜劇だ!

 

台風の気配の中、大劇場へ。

ちらほら空席があったのは交通事情で来られなかった遠方のお客さんだろうか。こればっかりはしょうがないけど・・残念だよね。人様のことながら辛い。

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で、月組。楽しいミュージカルでしたよ。

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イラストのたま様とさくらちゃん可愛い

 タカラヅカの十八番、「オシャレな新喜劇」

オシャレで洒脱。ロマンスあり笑いあり、親子愛あり友情あり。悪はちゃんと罰を受け、登場人物たちは皆、失敗を経て成長する。群像劇でワチャワチャ大騒ぎなんだけれど、最後は笑顔で大団円。

 

これぞ、宝塚が得意とする「オシャレな新喜劇」だ!

 

タカラヅカは大悲劇も歯が溶けるほど甘いラブロマンスもぶっ飛んだファンタジーも得意だが、こういうほっこりした人情喜劇も本当に上手。しかも出てくる人がみんな可愛いなんて最高じゃないか。

音楽がキャッチーだし、セットも可愛かった。ケーキのディスプレイからのダンスシーンとか。

 

ジョージ(珠城りょう)とエマ(美園さくら)のカップル感

たま様演じるジョージは今時この設定はどうかと思うくらい、絵に描いたようなナイス・ガイ。こういう癖のない「いい奴」の役って、面白味に欠けるとも言えるので演じるのが逆に難しそうな気がする。たま様はクラシックな風貌で昭和のスター感があり、ハマり役ではある。

しかし黒いたま様ってのも見てみたい気がする。イメージないけど。どう転んでも心の大きないい人にしか見えないんだもん、たま様。

 

エマのダサい派手ジャージがハリウッドセレブの私服感があってなかなかよかった(こういうカッコでパパラッチされる海外女優さん、いるもんね)。二人のカップル感、女性側が強気な感じも良い。さくらちゃん、どっちかというと和風の顔立ちなのに金髪が似合って素敵だった。

 

ジョージのパパ(鳳月杏)とママ(海乃美月)に泣く

海乃美月ちゃんのお芝居が好きだ。凛としてかっこいい。お衣装もメイクも素敵。仕事に人生をかける女性の真剣味、ホテルを背負って立つ覚悟が伝わってくる。

そしてそんなしっかり者の妻を深い愛で支えるちなつさんの包容力にグッとくる。一見いい加減な夫に見えて、実務に追われる妻とは少し違う時間軸で過去と未来を見据えている。大人な二人の和解のデュエットにちょっと泣いた。こんな夫が欲しい人生だった・・・

 

私は見逃さない、フェリックス(風間柚乃)とパブロ・ガルシア(暁千星)のイチャイチャを

フェリックスがアホすぎてちょっと腹立つレベル。いい子なんだろうけど、私ならちょっと距離を取りたくなるところだが、ジョージは散々迷惑かけられてもおおらかに笑っている。心が広すぎるよジョージ。

そして、そんなフェリックスに心奪われるのが情熱のラテン男・ガルシア(いつの間に恋に落ちたの?と唐突ではある)。

ジョージに愛されガルシアに惚れられるフェリックスて、同性に好かれるタイプのいい男なんだろうな、、という理解で合ってるだろうか。

 

そして何と言っても、

アリちゃんが可愛い!!!!!

ツーブロックのヘアスタイルとあご髭もチャラいイケイケのサッカー選手にしてラテンラバー。長ーい御御足で踊る姿の可愛さったらない(マッチョの曲はちょっとおもろい)。アリちゃん、チャラ男を演じても品が良い。

 

ラストの大円団シーン、モブの中に居てもちゃんとフェリックスにイチャコラしているガルシアを私は見逃さなかったぞ。可愛くて可愛くて、メインの芝居を見逃しそうになるくらいオペラ泥棒だった。

 

他の脇役もいいぞ

主役がドーンと主張するというよりもアンサンブルでしっかり見せるお芝居なので、脇役にも見せ場があって楽しい。

悪徳マネージャー役の月城かなとさん。マネージャーのくせにやたら派手でいい男なのが笑う。「お前その風貌で何で裏方仕事に回っているんだ」と小一時間問い詰めたくなるくらいカッコいい。

 

チーフコンシェルジュ役の光月るうさん、エマのお母さん役の夏月都さん、素っ頓狂な声も可愛い白雪さち花さん。皆いいのだが、特にエマの母は登場シーンが少ないにも関わらず印象深い。エマの心情を理解するにも大事な役だ。なっちゃんの芝居に泣かされる。いい女優さんだ。

ホテルで働くハイジとクララも可愛かったし、警官たちのチーム感も良かった。幸せな気分になる。やっぱりタカラヅカっていいなぁ。

 

フィナーレが格調高くて美しい

大階段のパレードはお芝居のお衣装とはまた違い、フォーマルな装い。男役は黒スーツで娘役が白ドレス、そして2番手と娘トップが赤スパン、その中にたま様が白の総スパンで孔雀のように降臨。

これ個人的に好きな演出だった。2幕ものの場合、お芝居のお衣装でのフィナーレが多いが(これはこれでいいものだけれど)、役柄のお衣装は地味めなものも多いので、やや華やかさに欠ける。対して、今回のようなフィナーレは統一感があり、ゴージャスだ。オーストリアが舞台のお芝居なので、クラシックな華やかさが似合っていると思う。

 

公演デザートはリンゴ味の方をいただきました。美味しかったよ。

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