シネマと宝塚と音楽と

宝塚・音楽・映画・時々ジャニーズ

mommy/マミー(2015)

出演:アンヌ・ドルヴァル、スザンヌ・クレマン、アントワン・オリヴィエ・ピロン
 

新しくなった恵比寿ガーデンシネマで鑑賞。

作品にあった上映環境ってあるよね。
3D大作ならシネコンのIMAX3Dのどでかいスクリーンで、
このてのミニシアター系作品ならル・シネマや恵比寿ガーデンシネマがいい。
ことに恵比寿は好きだったので、復活してうれしい。
 
15歳のスティーブ君と、シングルマザーのダイアン、隣人のカイラ。
ティーブはADHDでナイーブで攻撃的、カッとなると感情がおさえきれず大暴れして
他人に暴力をふるったり、自傷したりするため、施設を追い出されてしまった。
ダイアンさんは北関東ヤンキースタイル。50歳近いがコギャルみたいな格好でガサツで子供っぽいところもあるけど、息子を心から愛し、貧しくも必死に働いている。
カイラさんはSEの夫と小学生の娘と暮らす元学校教師、精神的ストレスから吃音症になり、教壇に立てなくなってしまった。
そんなカイラが息子の養育に悩むダイアンを助け、スティーブの勉強を見てやり、3人が疑似家族のようになっていく。
 
この映画、珍しいことに、スマホでとったみたいな1×1の画面サイズで進む。
3人の閉塞感が伝わってきて、息苦しくなる。
ところが、登場人物の心情とシンクロして、ところどころ画面がパーッと横に広がる。時には、スティーブ君が扉を開けるように、両手で画面サイズを広げたりもする。
どこで画面サイズが広がり、どこで狭まるのかが鍵ですね。
 
ティーブ君もダイアン母さんもうるさくてガサツなので、最初は不快ですらあったが
映画の途中から「頼むからハッピーエンドであってくれ」と祈るような気持ちになった。
ダイアンさんの夢のシーンに、もう涙が止まらない。スティーブ君にこんな未来があってほしい。
「希望があるからこうしたの」というダイアンさんの選択も、それに対するスティーブ君の行動も、どうか明るい未来に繋がってほしい。
 
カイラさんは家庭内に息苦しさを感じているようで、夫や娘に対して吃音がひどくなる。ダイアンさんとの微妙な距離感は、同性愛的な匂いも感じた。
 
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家族写真にこだわるスティーブ君。このシーン、よかったよね。