ロミオとジュリエット(2012 月組)
ロミオ:龍真咲 ジュリエット:愛希れいか ティボルト:明日海りお
龍さんといい、美弥るりかさんといい、どちらかというと線の細い美形が多いためか若々しさがよく出ているかわりに、今にも血が流れかねない不穏さは薄いような。
一方、ロミオとジュリエットの瑞々しいティーンエイジャー感はとてもよくて、舞踏会で恋に落ちるシーンやベランダの語らいが美しい。
ベンヴォーリオ、マキューシオのやんちゃ坊主感も学生ノリっぽくていい。
星では冒頭「ヴェローナ」の迫力にいきなり情動を鷲掴みにされ涙が出たが、月では結婚式での、二人の喜びに溢れた笑顔がたまらなく切なくて泣いた。
可愛らしく子供っぽくさえある笑顔が、悲劇の予感を際立たせる。
正直なところ、最初は「星のほうが好みかな、、」と思いつつ観ていたが、こうなってくるとどちらも違う味わいで、どちらもいい。
舞台というのは生き物で、役者によって違う面を見せてくれるのだなぁと。
ティボルト、これは役者冥利につきる役なんだろうと思う。
重層的な性格を持つ役だからいろんなアプローチが出来る。
狂犬のような男だけど自らの暴力性に怯えてもいる。家名を守る重圧、孤独な境遇。
伸び伸びと(ぬけぬけと)恋を叶えたロミオへの嫉妬と憎しみ。
明日海ティボルトは色っぽくて「初めて女を知ったのは15…」の歌がしっくりくる。
この人は二枚目なのに、意外と鬱屈した男の役が似合うのか?
今やってるアンドレア・シェニエでも横恋慕男を演じて上手かったし。
ロミジュリいい。おもしろい。
ベルばら・風共・エリザベートに続くヅカ的名作ド定番でしょうね。
ビジュアル完璧でしょ