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ノバ・ボサ・ノバ(2011 星組)Sinner manのカタルシス

ソール:柚希礼音 エストローラ:夢咲ねね オーロ:紅ゆずる
 
柚希礼音さんは言わずと知れた宝塚きってのダンサーで、
目下トップ・オブ・ザ・トップといったところ。
身体バランスも美しく、かなり大柄な人なのに、
私にはなぜか敏捷な小動物みたいなイメージがある。
全身からみなぎるパワーがきゅっと収斂したような大きい目の可愛い顔立ちと、
オカマ声としか言いようのないドスのきいたハスキーボイスの絶妙なバランスもいい。
柚希さんはどう転んでも「いいやつ」にしか見えないような善良な明るさがあって
それが魅力のひとつであり、好き嫌いの別れるところかもしれないが
エキゾチックな義賊ソール役はよく似合っていた。
 
役代わり、今回は紅オーロ。
紅ゆずるさんは歌やダンスに突出した技術があるわけではないが、伸びしろを感じさせる人だ。
昨日より今日はうまいだろう、そして明日はもっと良くなるに違いない、
そう思わせる不思議な魅力がある。
そして、役になりきる芝居心があり、繊細な演技が紅さんの好きなところ。
切れ長の白目がちの目にもの言わせ、悪党オーロをわっるい顔で演じている。
手脚がとても長く、小顔で舞台映えするのもいい。
 
ラストのsinner manがこのショーの見所だが、
sinner manといえばデイヴィット・リンチ「インランド・エンパイア」('06)を思い出す。
あのラスト、娼婦の女の子達がニーナ・シモンにのせて踊り狂うシーンも
めちゃくちゃかっこよくて多幸感でいっぱい、何度も何度も見てしまう。
もしかして、リンチ監督はタカラヅカのノバ・ボサ・ノバを知ってたんだろうか?
(見てたとしてもおかしくない気がする)
ノバボサファンのかたはぜひインランド・エンパイアも見てみてください。
ちょっと難解で尺も長いけど、ラストのカタルシスが半端なくほんっとに気持ちいいから。
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ちえさんかっこいい