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太陽王~ル・ロワ・ソレイユ~(2014 星組)

太陽王ルイ14世わずか4歳で王となり、以後72年間即位し続けた絶対的王者。
母親に愛されず温もりを知らずに育ち、自分が何を求めているのかわからない。
一国の王として、個人の幸せより国益を優先せざるをえない立場にあり
恋した女性とは引き離され、政略結婚を余儀無くされる。
でも当時だとしょうがなかったんだろうな。
栄華を極め、どんな女性もよりどりみどりだが満たされない。本当の愛を知らない。
なんとなく、光源氏みたいな役どころだ。
史実のルイ14世は恐ろしく仕事熱心でパワフルで規則正しい生活を好み、
女好きではあったが、溺れて政治が疎かになるようなことはなかったらしい。
柚希礼音さんのアスリートみたいなストイックさがピッタリではないか。
 
柚希さん、ナポレオンに続きフランスの権力者役だが、
こんなにも玉座が似合うジェンヌがいるだろうか。
金髪をたなびかせ、眼光鋭く堂々たる長身の立ち姿は、ライオンのよう。
威厳がありつつも若々しくセクシー、いやもう素晴らしい。柚希さん見るだけでお金払う価値がある。
王者の孤独を表現できるんだよな。
作品はロック調の曲がかっこよく、特に柚希さんは出ずっぱりの歌いっぱなし。
バレエのスキルを生かして踊りまくるシーンも多く見応えたっぷりだが、
それ以上に柚希さんの歌声の魅力が存分に楽しめる。ゾクゾクするような低音の響き。
ダンサーなのにこれだけ歌で魅了できるってのが凄いね。
 
星組は役者ぞろいで一人一人を見てるだけで楽しい。
国を思う枢機卿役の十輝いりすさん、ちょっと黒い役のまさこさんは色気があって実にかっこいい。
そしてルイの母親を演じる万里柚美組長の美しさと押し出しにもつい目を奪われる。
お調子者ながら兄思いの弟を演じる紅ゆずるさん、さすがのコメディエンヌっぷり。
真風涼帆さん、歩く姿が男っぽく絵になる。ちえさんを見て育ってるからか、動きがちょっと似てる。
正妻役の優香りこさんの優雅な気高さ、王の想い人マリーの綺咲愛里ちゃんの愛らしさ
最後の妻、妃海風さんの落ち着いた美しさ、戦う女イザベルの夢妃杏瑠さんの健気さ。
娘役さんたちもそれぞれ個性的で、素晴らしい。
 
モンテスパン夫人役の、壱城あずささんはめちゃくちゃ可愛く、男役とは思えない。
コケティッシュな感じがちょっとねねちゃんにカラーが似てる気がする。
また、実在の魔女ラ・ヴォワザンを毒々しく演じる夏樹れいさんも素晴らしい。
黒ミサのシーンは、はっきりいってしまえば乱交パーティなのだが、
こういうのを下品でなく、耽美に表現できるのがタカラヅカマジック。
私は前々から、ヅカは男同士のBLシーンは多いのになぜ女同士の絡みがないのか訝しんでいたのだが
黒ミサでは女同士も濃厚に絡んでましたね。実に綺麗でした。
 
客席降りもあり(柚希さん、いい匂いしたわ・・・)フィナーレは黒燕尾の群舞もあり
見応えのあるいいお芝居でした。
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ちえさんがかっこようてかっこようてもう。