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ロミオとジュリエット(2010 星組)

ロミオ:柚希礼音 ジュリエット:夢咲ねね ティボルト:凰稀かなめ
 
2013年再演のBlu-rayも購入しました。よかったねぇ。
 
改めて初演を観る。
誰もが知っている、あまりにも有名な物語のロックオペラ
イギリス人作家が書いたイタリアが舞台の名作をフランス人がミュージカル化し、日本でタカラヅカがアレンジしたら素晴らしい舞台になった。
なんとワールドワイド。それだけ、普遍的なテーマを持つ物語なんだろう。
曲が素晴らしくて、情動に訴えかけてくるコード展開は日本人好みだと思う。
冒頭の「ヴェローナ」からぐっと心を掴まれる。
ああ、きっとロクなことにならない。何かよくないことがおこる。
そんな悲劇の予感に包まれて、初見時この段階でもう涙が出た。
 
だいたいロミオもジュリエットも、早急にすぎる。思慮が足りなくて、浅はかだ。
一目惚れでいきなり結婚したり、勢いで人を殺したり、わけのわからない薬を後先考えず飲んじゃったり。
その愚かしさが眩しく、美しく、たまらなく切ない。
そんな愚かさ込みの純粋さを柚希さんが本当に素晴らしく演じていた。
今までみた数々のロミオの中で、一番ロミオだった。
ちょっと現実離れした神話のような愛の話(元ネタはギリシャ神話だしね)
しかし何世紀にもわたって人の心を打つ普遍性がある。
なんとタカラヅカ的な題材なんだろうか、と思う。
 
ティボルトがジュリエットに横恋慕してたりジュリエットの母ちゃんとも何かあるあの感じ、あれは確か原作にはなく、フランス版の脚色かと思うのだが、とてもよかった。
ティボルトの孤独や苦しみが、ある種ノーテンキなロミオと対をなし、
「どちらが悪いわけでもない悲劇」を際立たせる。
凰稀かなめさん、触れれば切れるようなティボルトの哀しみが凄く伝わってきた。
健康的で明るい柚希さんと、やや陰りのある美形の凰稀さん、
二人の対比が物語に合っていた。
これからも時々見返しては、見るたびに泣くだろう。
ところでベランダに花を投げるシーン、あれ見てるほうが心配になるのだが、上手くキャッチするねぇ。
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衣装も似合ってましたね