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宝塚・音楽・映画・時々ジャニーズ

コパカバーナ(2006 星組)

ティーヴン/トニー:湖月わたる サマンサ/ローラ:白羽ゆり 
リコ:安蘭けい コンチータ遠野あすか 他
 
どうしてももう一度見たくてDVD入手。
バリー・マニロウの名曲にのせた華やかで楽しいコメディなんだけど、私はこれで泣いちゃうんだよな。
 
劇中劇の舞台であるクラブ「コパカバーナ」では、誰もがスターを目指して日々、オーディションに明け暮れている。
無惨に否定され、落とされ続け、身のすくむ思いをしてもなお、それでもオーディションの場に立ち続ける。
演じるタカラジェンヌ彼女たちの現実もまた、毎日がオーディションのはずだ。
厳しい序列の中にさらされ、努力が報われるときもあれば報われぬときもあり、理不尽な仕打ちに悔し涙を流す夜もあるだろう。
お前は年をとりすぎた、、なんて惨い一言で仕事を追われることもある。
ショービズの世界だけじゃない。これは私たちの生きている人生そのものじゃないか。
誰もがヒリヒリ痛い思いをしながら、試され続け、落とされても落とされてもチャレンジし続ける。
ぐっとくるでしょ、これは。こざるをえないでしょ。
 
男の中の男、わたる兄貴。
暖かみのある包容力が最高に素敵。ダイナミックなダンスが魅力だが、シリアスもコメディもいけるお芝居のセンスも凄い。
ラスト近くのシンプルなセーター姿が一番男らしくてセクシーで好き。
「心からいう、愛してる」の台詞に泣かされてしまう。
お笑いもできるけどストレートなロマンチックもばっちり決まるわたるさん。スターだわ。
 
また、大好きな安蘭けいさん。愛のボレロコパカバーナの2曲しか歌わないんだけど
声一発ですっかり場をさらっていく。
小柄で華奢な安蘭さんが強面のギャング、リコになりきる素晴らしい演技力。
リコの長年の愛人、コンチータとの関係性も泣かせる。彼女に手酷い仕打ちをしながら、最後の最後で彼女を庇うリコの男気に、「ああ、だからコンチータはリコから離れられなかったんだな」と。
この二人には愛があったんだろう。少なくとも、昔は。
こういう中年腐れ縁どれ合いカップルに私は弱い。
 
そして白羽ゆりさん。もう、世界一可愛い。可愛すぎる。
彼女のコメディエンヌっぷりも素晴らしい。
やりすぎなくらいのぶっ飛んだ演技だが、どこまでも上品で、ずっと見ていられる。
現実にはあり得ない純情な娘。ヅカの娘役にしかできない、夢の女。
英真なおき元組長のタバコ売り娘も素敵。美脚なんだよなこの人。ダンサーだけどハスキーボイスの歌もとてもいい。
星組、個性が立ってていい。千秋楽のアドリブ合戦も楽しくこのDVDはお勧め。中古で見つけたら買いましょう。
 
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エロ親父リコに狙われるローラちゃん。スティーヴン歌ってる場合じゃないよ!