シネマと宝塚と音楽と

宝塚・音楽・映画・時々ジャニーズ

THE KINGDOM(2014 月組)

ドナルド・ドースン:凪七瑠海
パーシバル・ヘアフォール:美弥るりか
サーシャ:早乙女わかば
ジェニファー:海乃美月 他
 
昨年の本公演「ルパン」のスピンオフ作品。
「ルパン」も観劇したが、いまいちはっきりしない印象だった。
悪くはないんだけど、トーンが暗くて話運びが細かい。
多分、作品のサイズ感が大劇場とあまり合ってない。
もう少し小劇場向けの演目なんじゃないかと、当時思った。
 
今回のスピンオフは日本青年館ホール、やはり、大劇場で見るよりしっくりきた。
本編と同じく、どちらかといえば地味な絵面だ。
また、ヅカ作品にはめずらしいことに、恋愛要素が非情に少ない。
(記憶が正しければ、主役2人のキスシーンが皆無だったと思う)
代わりにダブル主演2人のBL的友情が重点になっている。
濃いめ星組テイストの美弥さんとスタイリッシュな宙組テイストの凪七さん。
持ち味の違う美形二人の同期萌えをはじめ、
部長と部下の上下関係萌え、伯爵家の兄弟萌え、亡命ロシア悪人グループ萌えなど
男同士の関係性が丁寧に表現される。
 
そうなると、娘役の見せ場がないんじゃないかと思われるが、
男に純愛を捧げられる乙女役こそないものの、戦う女たちがきりりと美しい。
サーシャ役の早乙女さん、主役2人との三角関係は拍子抜けするくらいあっさり薄味で、(僕たち2人はふられた、のト書き1行で終わり。なんて効率的)むしろ憂国の同士だし。
ジェニファー役の海乃さんも頼もしい同僚で文字通り凪七さんに肩を貸してるし。
伯爵のフィアンセ役、叶羽時さんも、美弥さんと昔何かあったらしいと匂わせるだけで発展はしない。
また、ヴィクトワール役の憧花ゆりのさん。毎回いい仕事するなあ。
アルトの声が美しくしっかりしてて、真面目な顔でのコメディエンヌっぷりが素晴らしい。(憧花さん主演でガルボニノチカとか見たいなあ)
月娘、かっこいい。月には戦う女、個性的な女を沢山配役してほしい。
スミレコードの制約の中、女の自由さや強さを表現できる娘役さんたちだと思う。
 
また、これだけはいいたい。亡命ロシア人役の紫門ゆりやさんが素敵すぎた。
ぬれぬれとした黒髪のヘアスタイルが実に決まっており、
フィナーレのきっちり黒燕尾に役のままのラフな髪型という組み合わせが
かっこよくてかっこよくて座席から崩れ落ちそうになった。
うーん。こんな素敵な男役さんだったのか。。
 
違う意味で座席からずり落ちそうになったのが、情報部員一同による「報・連・相のうた」
ホウ・レン・ソウの重要度を訴えるべく歌い踊る姿。ざ、斬新すぎる。。
死語のようだが、それなりにオフィスでは耳にすることの多い「ホウ・レン・ソウ」。
今後、このワードをきくたびにあのナンバーを思い出さずにはいられない。
 
イメージ 1
二人とも美形・・・