シネマと宝塚と音楽と

宝塚・音楽・映画・時々ジャニーズ

シンデレラ(2015)

 
原作の「女は文句言わずに炊事洗濯してりゃ幸せになれる」というメッセージはどうかと思うし、しかも王子に見初められる理由がその家事能力や忍耐力ですらなくて、100%ルックスというのも身も蓋もない話だ。確かに女の子の教育によろしくない。
この話にどう今日的な解釈をするか、が鍵なわけですが。
 
映画の筋はほぼ、昔絵本で読んだものと変わりないが、ディテールが違う。
シンデレラはアウトドア派で、馬に乗り、田舎の野畑で家畜の世話をする活発な女性。
家事を黙々とこなす理由も、従順なだけではなくて愛する両親の思い出が詰まった自宅への愛着と誇りによるものだし、王子はシンデレラの闊達さや率直な態度に魅了されるのであって着飾ったドレス姿にのぼせ上がるわけではない。
 
そして継母役は、世界一の女王役者・ケイト・ブランシェット!もう素晴らしいね。
上品な美貌と底意地の悪さ。実際、シンデレラも素晴らしく可愛く綺麗だけど一番印象に残ったのはケイトの美しさだ。
ケイトが演じるのは、単なる意地悪な継母ではなく、同時に二人の夫に死なれた不運な女性であり、出来の悪い実娘をどうにか縁付けることに必死な母だ。(そういえば、知り合いの初老女性がいってた。嫁が実娘より出来が悪いと「娘ならちゃんとできるのに」とイライラする。かといって、嫁が実娘よりもはるかに出来がいいと、それはそれで腹がたつんだって。なるほどな)
クレジットで真っ先にでてくるのがケイトの名前。
俳優としての格の問題もあるが、実は裏主役が継母ということなんだろうかね。
シンデレラが新しい時代の女性への希望だとしたら、継母は旧態依然の女性枠の中で何とかうまくやろうとして失敗した女性だからこの2人のキャラクターは二人でひとつ、裏表なんだよな。
 
そして冒頭の短編、アナ雪のショートフィルムは、雪だるまが生まれるたびに場内の子供達がキャッキャ喜んでてとても楽しかったですよ。
あの姉ちゃんは相変わらず魔法のコントロールが効かないのね。

イメージ 1
このドレス超きれい。ヅカの娘役に着せたい