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「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」にどハマり中

話題のNetflix は、オリジナルコンテンツがなかなか良いです。
今はまっているのが、女囚もののドラマ「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」(オレンジ色=囚人服が最新流行よ、みたいな意味らしい)
 
主人公のパイパーは裕福な白人家庭のお嬢様で仕事も順調、優しい婚約者もいる。
それが、10年前に恋人の手伝いで1度だけドラッグマネーを運んだ罪で、逮捕されてしまう。
最初こそメソメソしているパイパーさん、すぐにムショのルールに馴染んで逞しくサバイブしていく。
プリズンものだから切ないエピソードも満載だけど、基本はコメディで下ネタも満載。
一応パイパーが主人公ながら、囚人や看守の群像劇で、これが面白い。
原作者の実体験を元にしているのでディテールが生々しく、人種差別や移民問題、ドラッグなどアメリカの社会問題がいっぱい出てくる。
ほおーと思った点を幾つか。
 
囚人たちは人種でつるむ
2大勢力は黒人とヒスパニックで、あとは白人グループ。基本は人種別で行動している。それぞれ、年長で肝っ玉の据わったおばちゃんが母親のように若い囚人たちの面倒を見ている。
アジア系は超少数派だから、もし自分がここに入ったら苦労するだろうな。
そして老人たちは人種の垣根なく、おばあさん達でグループを作っているのも味わい深い。
 
ムショ内の仕事は囚人たちの担当制
厨房係、掃除係、電気修理係、洗濯係、運転手まで囚人がやっている。
なんだか女子校の寄宿舎みたい。年配者は体力的に楽な配置になってたり、配慮されてるみたい。
 
売店や美容室もある
売店ではカップ麺やお菓子、ちょっとしたコスメなども売っていて、みんな綺麗にお化粧したりしている。美容室では髪を染めたり、結構自由。
アクセサリーも本当はダメなんだろうけど、行き過ぎなければ看守も見過ごしてくれる。(このへんも学校っぽい。というか、学校ってやっぱりムショっぽい)
もちろん、売店の売り子や美容師も囚人がやっている。
 
刑務所まで民営化の波
これは知らなかった。経費削減が厳しくなって、食事やらなんやらが劣悪になっていくのが切ない。
囚人だけでなく、看守たちの待遇もシビアになっていく。
 
囚人の多くはドラッグ絡み
比較的軽めの罪の人が多く、大半がドラッグ関連、あとは詐欺や政治犯など。
老人達の方が重罪なんだよね。その年になるまで入っているほど刑期が長いってことだから。人畜無害そうなおばあさんに壮絶な殺人の過去があったりしてぎょっとする。
 
だいたいロクでもない男とくっついている
大抵の女囚たちは、貧しい。パイパーさんはレアケースだ。
貧しさから犯罪に手を染めているケースが多く、そんな彼女たちにはかなりの確率でろくでなしの亭主や彼氏がいて彼らにドラッグを教えられたり、暴力を振るわれたりしている。切ない。
 
発達障害っぽい人も多い
ドラマの設定なのか、実際そうなのかはよくわからないけれど、ADHDでは?と疑われる行動をとる人が多い。貧しさから適切な対応をされてこなかったために逸脱行動に走った人も少なくないとしたら、切ない話だ。
逮捕するよりも他に対処の方法があるんじゃないか、と思ってしまう。
 
キャラクターがみんな味わい深くて、いいドラマです。こういうのなんで日本でできないんだろうな。
おもしろいです