シネマと宝塚と音楽と

宝塚・音楽・映画・時々ジャニーズ

るろうに剣心(2016)キャラの再現度とオリジナリティのサジ加減

私は原作とアニメは未見、映画は全部楽しく見た。
映画版は佐藤健さんの身体能力が抜群で、殺陣がめちゃくちゃカッコよかったんだよねぇ。(メイキングを見たら壁走りとかワイヤーなしで普通にやっててびっくり。健くんは、真田広之の跡目を継ぐ美形アクション俳優になっていただきたい)
そんな名作の舞台化。
ルパンの時と同様、原作ファンなのか、男性客がいつもより多かった気がする。
キャラクターの再現度と宝塚ならではの色付けが楽しかった。
舞台は幕末から明治維新への変換期。皆が過去を背負い、現実に失望し、未来を夢見つつもどこかで割り切れない思いを抱いている時代。今と通じる部分も多いですね。
 

早霧せいなさんが剣心そのもの!

ちぎ様は役者だ。抜群に美しいジェンヌでありつつ、憑依型の役者なんだなと思う。
立っているだけでまさに剣心そのもの。
歩き方、走り方も(ちぎ様は走る姿が美しい。もっともごまかしのきかないアクションだ)
荒んだ鋭い目からの漫画チックなキョトン顔の落差、いやー完璧に剣心だった。小柄で痩躯なのも、剣心のイメージに近い。
薫との恋愛話があっさり風味なのも好感が持てた。出会ったばかりだからねこの二人。
殺陣も素晴らしかった。ちぎ様、良い仕事するわ。
 

咲妃みゆちゃんがキリリと可愛い

声嗄れてたが大丈夫かしら。ちょいとハスキーなのもおきゃんな町娘らしくて素敵だったけど。
映画の武井咲ちゃんは抜群に可愛いけど、体のキレがイマイチで剣使いに見えないのが残念だった。その点、みゆちゃんは声の張りも運動能力もさすが娘1!凜とした師範代に見えた。
薫ちゃんの健康的な清潔さと、色っぽい恵さんとの対比がいい感じ。
 

彩風咲奈さんが超かっこよくて萌え死ぬ!殺す気か!

斉藤一という男の中の男。これも映画版の江口洋介さんが素晴らしかったのだが宝塚版も期待を裏切らない、いや、それ以上の好演だ。
長身にぴったりした軍服とくわえタバコ。襟元の留め金を一つ外しているのもセクシーで、あの可愛らしい彩風さんがこんなに男くさい男役を演じる不思議。
ルパンの次元がめちゃくちゃカッコよかったので、あれを超えるのは難しいかと思ったら今回軽く超えてきたように思う。すごいよ彩風咲奈。
 

鳳翔大さんと大湖せしるさん

このお二人も役に似合ってたなぁ。
左之助の再現度。こんなぶっ飛んだ役を演じて痛々しさがなく自然というのはすごいことだ。もはや中の人がスタイル抜群の美女だとは信じられない。
大湖せしるさんの恵も程よくていい。悪女や妖艶な女性を演じられる貴重な女役さん、、退団が惜しまれる。
左之助が恵に「いい女だ」というセリフが好き。この二人ならではの大人の余裕がある。
 

御庭番衆の本気

本気すぎてもはや誰だかわからないおっかないメイク。キレキレの殺陣。渋い。素晴らしい。
4人がアクロバティックな動きをしている中、白いロングコートで佇む月城さんの2.5次元っぷりも素晴らしかった。このグループのスピンオフが見たい。
 

望海風斗さんの阿片ソング!

加納といえば、前髪の惣三郎。妖しい色子のイメージがあるけど、今回は女の裏切りをいつまでも根に持ち、阿片ビジネスに手を染める屈折した男。
「ア、ヘン」という歌い回しが色っぽくもちょっとおもしろい。黒いだいもん様、ああ素敵、素敵よ。
この加納さん、何をしたいのかいまいちわからないんだけど、時代の変換期にはそういう混乱した人って確かにいるんだろう。
剣心が過去を乗り越える人なら、加納は過去に囚われた人ですね。
しかし、剣心の恋敵というニュアンスは私には感じられなかった。剣心を仲間にしたくてしょうがない加納、どっちかというと、星逢の時と同じく、男二人のBL感が半端ない。
 
阿片ソングのほかも、歌がおもしろい。
ガトリング砲の歌、、彩凪翔さん、やりきったなぁ。あっけにとられたもんな。
赤べこの牛鍋ソングや、悪即斬ソング、小池先生のセンスのぶっ飛び具合ったら。
客席降りもあり、サービス満点の舞台で、私はとても楽しかったです。
 
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パンフレットもいい出来。レスリー・キーさんの本気。ちぎ様美しい・・