梅芸「グレート・ギャツビー」を観てきた
瀬奈さんの、背中で語るスーツ姿といったらもう・・・ラストシーンは号泣だった。
宝塚版はハリウッドのよりもずっと良い、と思う。フィッツジェラルドに見せたい。
そして今回、あの素晴らしい名作を手がけた小池先生の別バージョン。
正直なところ、どちらが好きかと言われたら、宝塚版の方が私は好きだ。
井上ギャツビーの上品さ
井上芳雄さんのギャツビーは品が良くておぼっちゃま風。
レッドフォードとレオは、ごつくて粗野な感じが透けて見えていたし、瀬奈さんには裏街道を歩いてきた男の影があった。
そして井上ギャツビーには、真面目さ故に人生ねじ曲がってここまで来てしまった、という痛々しさを感じた。
だいたいデイジーがどんな人間であっても、もはやギャツビーにとってはどうでもいいことなんだろう。不思議だけれどそういう人は一定数いる。
そういえば、ジョージもそうだ。彼はマートルの何を愛したんだろう。マートルは随分ひどい女性のように見えるけれど、彼女が夫を嫌った訳も少しわかる気がする。
ジョージはとてもいい男でいい夫だけれど「妻がどんな人間なのか」にそもそも興味がないように見える。相手をろくに見もせずに、なぜそこまで執着できるのか。
フィッツジェラルドの描く男性はこのパターンがとても多い。「冬の夢」とかね。
ねねちゃんデイジー
夢咲ねねさん。ねねちゃん!相変わらず超かわいいではないか。アール・デコのお衣装が実に似合う。
美しくて、ふわふわと楽しんでいるようでいて人生を諦めているデイジー。裕福な生活以外を知らずにきた。リスクを負う勇気も気力もすでにない。
この後、それなりに幸せな人生を送るのかな。送るんだろうな。
その他の宝塚OG勢
AKANE LIVさんもぴったりイメージ通り。キリッとしてかっこいい。
畠中さんのジョージにグッとくる
トム役の広瀬友祐さん、いけすかない金持ち野郎感がとても良く出ていた。かっこいいし。ニックの田代万里生さん、このかたもいい声だった。
しかし何と言っても、畠中洋さんのジョージが凄かった。耐える男の悲しみ。暴発して妻を抑えかかるシーンも、ギャツビー殺害シーンも素晴らしかった。
ディズニーアニメ史上最高のイケメンと名高いフリン・ライダー役をされてた方ですね、このかたは。ファンになりました。